フジコヘミングがショパンの生涯に思いをはせ、
スペインのマヨルカ島を訪問する、、、、。
といったドキュメンタリーを民間テレビで観ました。
それはそれで面白い番組でした。
その後で彼女の事をネットで検索したところ、
彼女に対する批判的な意見があまりにも沢山あり、驚きました。
「あんなのプロとは言えない」とか「正直ヘタて嫌いだ」とか、
「あのCDを買う人の気が知れない」などの類です。
それなら何故、彼女の演奏会が満員になり、CDがそれほど売れるのか、
素朴な疑問が湧いてきます。
音楽家には利子がつく。
これは私の、ミュージシャンに対する考え方です。
昔、カウント ベーシー楽団の浜松公演に行きました。
彼が亡くなる少し前です。
あのカウントベーシーが車椅子で登場。
そのままピアノの前に、、、。
しかしながら、それはワンフレーズのツナギもおぼつかない演奏でした。
それでもビッグバンドの激しい音の向こうに、
ふと彼のピアノの音が聞こえると、
思わず自分だけでなく観客の多くが、、、、、拍手拍手。
思えば、このジャズピアニストには、
彼の存在、実績、そして共感みたいなものに、
いつの間にか「利子」がついていたのでしょう。
私はこの利子に対し、惜しみない拍手を贈ったのです。
フジコ ヘミングを我が物顔で批判する方々に申し上げたい!
だから日本の純音楽が育たないのです。
あなた方が日本のクラシック音楽界をダメにしているのです。
フジコヘミング。
近年鳴かず飛ばずのクラシックピアノ界。
今、その裾野を拡げているのは、彼女ではありませんか?
CDが売れ入場券が売り切れるのは「利子」が分かる人達なのです。
フジコ ヘミングの弾く「エリーゼのために」。
これを初めて聴いてピアノに目覚めた子供たちだっているのです。
彼女が生み出した音楽家の「利子」を、味わって欲しいと思います。
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N (金曜日, 07 4月 2023 06:40)
いつも楽しみに拝見していますが、珍しく長文の投稿ですね。
「音楽家には利子がつく」
この考え方には驚くとともに、「その通り!」と思わず膝をうちました。
けんジイさん (土曜日, 08 4月 2023 10:32)
雨降りが続くと理屈っぽくなりますね(^^♪。