昔、美容師の親方は「先生」と呼ばれていた。
その叔母の一人が「先生」で、92才で亡くなった。
弔問に来てくれた元従業員だった方も、
「先生には大変お世話になりました」
と云う具合だった。
この叔母に関して、様々なエピソードを思い出す。
ある時、けんジイさん夫婦は親戚の「頼まれ仲人」をやった。
叔母は職業がら、花嫁さんの髪や化粧から着付けはもちろん、
結婚式に出席する親戚の女性全員の着付けもやっていた。
だから仲人のカミさんは、忙しい叔母に着付けをさせるのを憚って、
まったく別の美容院で着付けてもらい花嫁の自宅へ、、、、。
ところが、花嫁を仕上げていた叔母はカミさんの和服姿を見るやいなや、
「そんな着付けじゃダメ、、、直ぐに脱ぎなさい!」
結局、カミさんの気遣いは無駄になった。
叔母は気骨のある美容師だった。
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