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私の愛するジャズ屋(その7)「ポルシェ」

湯田温泉の街中にある「ポルシェ」。

店の奥の床が一段高くなっていて、

3~4人座れるカウンター席がある。

 

二階は「フォルクス」という姉妹店。

時々ここでも食事をした。

階下のポルシェのマスターが料理を作り、

リフトで運ばれてくる。

面白いのは二つの店のメニューが

微妙に違うことだった。

 

私がここを知ったのは27~28年前の事、

30代の後半に差し掛かったころだ。

その後の「ポルシェ」の事は分からない。

ここに居た経営者夫婦を含め、

この店にあった全ての物が

昭和時代の象徴として私の脳裏を過る。

 

少ししゃがれた声の女主人には6文字の「あだ名」があり、ある古代魚の名前が付いていた。

そのことを常連さんから初めて聞いた時、、、、、、ひど過ぎる!と思った。

このことは忘れようと何度も思ったが、結局現在に至ってもそれは無理だった。

店では常に控え目のマスターとともに、魅力的な夫婦だった。

 

ローランドハナの「イージートゥーラヴ」(当時はLPレコードのみ)。

「ポルシェ」には何人かの学生のアルバイトがいて、交代で働いていた。

「ピアノトリオで何かおススメは?」

ある時の私の問いに、アルバイトの女子学生の一人が自信ありげに

かけてくれたレコードだ。

 

まだローランドハナ(米国の黒人ピアニスト)存命、昭和の話だ。