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「ヴィオレッタに捧げし歌」 だから映画は面白い

映画に使われた楽曲についての記事は、幅広くウェブサイトに散見される。

先日、映画「カサブランカ」の「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」について書いたように、

そのほとんどは「テーマ曲」について書かれる。

 

小道具として使われる楽曲も、テーマ曲以上の意味を持っている。

映画「カサブランカ」に使われたもう一つの大事な曲がある。

主人公リックの経営する酒場で、女性歌手がギターを弾きながら、語るように歌うシーン。

 

歌われている曲は、歌劇「椿姫」のアリア「ヴィオレッタに捧げし歌」。

私は歌劇と云うものを今だ観た事がないが、

「椿姫」が男と女のすれ違いの悲劇であることだけは知っている。

だから映画の中、二人の行く末を印象深く象徴する一コマだと云える。

だからこの、たった一分間のシーンが好きだ。



そう云えば、映画「プリティーウーマン」にもそんな場面があった。

ジュリア・ロバーツ演じる主人公の女性が、生まれて初めて歌劇を観て、感動の涙を流すシーン。

その歌劇もこの「椿姫」だった。

これも象徴的。

娼婦が自分を変える男に出会う、、、、と云うところを、このシーンは強調している。

名画には、無駄な場面がない。

だから映画は面白い。