数年前に出版を待って購入したジャズライブのDVD。
これは最初から最後まで固定カメラで、
低い位置から撮られている。
ジャズ屋のマスターが、
個人の記録として撮っていたものだろう。
市場に出すために撮られたものでないことは明白。
だから人のざわめきや楽器の調整、
そのほかの雑音などが生々しく聞こえてくる。
時々、人がカメラを遮ったりする。
自分が観客でカメラ目線に居る、と思って観れば問題ない。
武田和命ファンであれば納得の一枚。
バリバリの渋谷毅のピアノも聴ける。
ところで、
私が武田和命を知ったのは、彼が食道癌で49歳で亡くなった後のこと。
ある時、東京のライブハウスで武田と云うご婦人に出会った。
会話のなかで「夫が昔サックスをやっていたころ、、、、」。
それが後になって、知る人ぞ知る演奏家だったことが判った。
ある人は、「通路にはみ出た僕の脚を、武田が足でなじるように擦ってステージに
上がっていった」と自慢げに話す。
ある人は、「武田コルトレーン」が亡くなった夜、
彼を取り巻く人達がいかに悲しんだかを語る。
それでCD「ジェントル・ノーヴェンバー」を何となく購入。
実はこれが素晴らしいCDだった。
一度聴いて武田のファンになってしまった。
ジョンコルトレーンの「バラード」と一組にして時々聴いている。
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