演奏家には二つのタイプがある。
一つは、プライドが高いことが売り物だと思っている人。
もう一つは、物事を素直に見つめることにプライドを持つ人だ。
ずいぶん昔のことだが、渡辺貞夫のインタビュー番組で、彼が結婚した年の話になった。
「そんなわけで○○の年に、今の妻に結婚してもらいました。」
この言葉は、彼の恋愛感情や人間関係に関する彼の体質を見事に言い表している。
そこに彼のプライドを感じる。
山田美加は地元のジャズピアニスト。
印象的なフレーズをたくさん持っている。
彼女はビバップという言葉をよく使う。
それは彼女の音楽に対する志、つまり方向感を表しているだけでなく、
自分の今の位置を正確に表そうとするプライドだ。
最近彼女のライブでのMCが変わった。
アドリブで気のきいた話をしようとしなくなった。
淡々と曲目を紹介し、演奏に入る。
MCを面白くするための努力が、彼女の体質に合わないことを知ったのだろう。
その結果彼女の売り物はより明確になり、ますます磨かれる。
彼女のプライドがなせる技(わざ)かもしれない。
来月末のジャズライブを楽しみにしている。
コメントをお書きください
山田美加 (水曜日, 28 12月 2011 01:11)
「粋」な紹介をありがとうございます!
改めて、自分を客観視できました。
1/31、皆さんに楽しんで頂けるライブにしたいと思います。
伊藤健蔵 (水曜日, 28 12月 2011 09:37)
勝手に書いてしまいました。
本人に見つからないブログの書き方、探しています(笑)。
どうぞお許しください。
ありがとうございました。